「なまはげ」と聞いて思い浮かぶのは、「秋田県」「鬼のようなお面」「悪い子はいねがー!」などではないでしょうか?
テレビや写真などで、なまはげを見たことはありますよね。
しかし、「実際のところ…なまはげって何?」という人も多いと思います(*⁰▿⁰*)
実はとても魅力的な存在のなまはげ…
今回は、なまはげの正体や、そもそも何をするのかを調べてまとめてみました!
なまはげに会えるスポットも紹介していますので、興味が湧いた人はぜひ訪れてみてくださいね☆
なまはげとは?
「なまはげ」とは秋田県男鹿半島を中心に、約200年に渡り行われている伝統的な民俗行事です。
2018年には「来訪神:仮面・仮装の神々」のひとつとして、ユネスコ無形文化財に登録されました。
恐ろしいお面をつけ、藁の衣装を身にまとい、手には出刃包丁を持ったなまはげが、毎年12月31日の夜になると、各家庭を巡り歩きます。
「悪い子はいねがー!泣く子はいねがー!」と叫ぶ姿は迫力満点で、大人でも怖いですよね。
なまはげの語源
なまはげの語源は、方言の「ナモミ剥ぎ」です。
「ナモミ」は怠け者の象徴で、囲炉裏にあたり続けると手足にできる火斑(ひだこ)という赤い斑点模様のことです。
「ナモミ」ができるくらい怠けている者を戒めるという意味を持つ「ナモミ剝ぎ」が訛り、『なまはげ』になったとされています。
なまはげはなぜやるの?
なまはげと聞くと、子どもを驚かせる行事というイメージがありますが、実はそれだけが目的ではありません。
なまはげには、1年の節目の厄払いや怠け者を戒めるという意味合いがあります。
本来の目的は、無病息災や家内安全、豊作を祈願する行事です。
なまはげの正体
なまはげは見た目は鬼のようですが、実は鬼ではありません。
男鹿の山に住む、災いを祓ってくれる神の使い、または無病息災・豊作を祈願する年神様と言われています。
なまはげは、悪いものを払い落すためにわざと大きな音を立てて歩きます。
また、なまはげの衣装から落ちた藁は縁起物とされ、お守りとして大切にされるそうです。
見た目は怖いですが、とてもありがたい存在です。
なまはげの格好
なまはげといって思い浮かぶのは赤や青のお面や藁の衣装ですが、他にもアイテムがあるのを知っていますか?
なまはげの必須アイテムをご紹介しますね^^
お面
昔は、木の皮やザルなど身の回りのものを材料にしてお面が作られていましたが、最近では木彫りやプラスチック素材のものが多いようです。
顔の作りなどにルールはなく、地域ごとに違うみたいです∑(゚Д゚)
実は、よく見る鬼のようなお面は一部の地域のもので、丸顔のお面や、可愛らしいお面の地域もあるそうですよ。
ケデ(藁の衣装)
「ケデ」はなまはげが身に付けている藁でできた衣装のことで、「ケラミノ」や「ケダシ」とも呼ばれます。
ケデから落ちた藁にも神様が宿っているとされ、魔除けや無病息災のご利益がある縁起物とされています。
ケデから落ちた藁は、頭に巻きつけると頭が良くなる、体に巻くと病気が治ると言われ、大切に集められます。
実は、ケデは行事が終わると焼いてお祓いをするので、毎年編んでいるそうですよ。
出刃包丁と桶
出刃包丁は語源である「ナモミ剝ぎ」に使うための道具です。
桶は剥ぎ取った「ナモミ」を入れるのに使います。
御幣
なまはげは、神のしるしである御幣を付けた杖を持ち、各家庭を巡ります。
地域によっては、御幣を持たないこともあるそうです。
なまはげってどうやって来るの?
なまはげの正体や衣装は分かったけど、「いつ来るの?」「何をするの?」という人もいますよね。
なまはげがいつ来て、来たらどうするのか見ていきましょう!
いつ来る?
なまはげは、ほとんどの集落で12月31日の夜に来ます。
もともとは小正月である1月15日だったそうですが、昭和以降大晦日に変更されたそうです。
どんな家に来る?
なまはげは、新しいお嫁さんがいる家や子どもがいる家を狙います。
新しい家族が増えた家に、なまはげが来るようです。
一方で、不幸があった家や病人がいる家、出産があった家には入ることができないとされています。
なまはげが来たらどうする?
一般的ななまはげは、赤と青のお面のなまはげと、先立(さきだち)という案内人がセットとなり、3人以上で来ます。
赤いお面は「じいさんなまはげ」、青いお面は「ばあさんなまはげ」、2人セットで「夫婦なまはげ」と呼ばれています。
赤と青だけでなく、金や銀、木そのものの色など、様々な色のなまはげがいるんだそうです!奥深いものですね〜w
なまはげが来てからの流れは、以下の通りです!
①先立が家主に、家に入ってもいいか確認します。
このとき、家主に子どもの隠れ場所や日々のイタズラなどを教えてもらいます。
②家主の了解を得るとなまはげが家の中に入り、大きな足音を立てて邪気を払いながら「悪い子はいねがー!泣く子はいねがー!」と叫び、隠れている子どもを探し回ります。
③家主はなまはげをなだめ、お酒や料理でおもてなしをします。
④なまはげがお膳につくと、家族の様子などを聞く問答が始まります。
⑤問答が終わると、翌年の無病息災や豊作を祈願して帰っていきます。
子どもを怖がらせるのはなぜ?
なまはげが子どもを驚かせる理由には諸説あるようですが、「親の言うことを聞かないと怖い目に合う」という教育の手段と言われています。
なまはげは帰るときに「山に向かって3回手を叩いたら、すぐに山から降りてくるぞ!」と子どもに伝えます。
「悪さをしたら、親が山に向かって3回手をたたくから、すぐに降りてきて叱ってやるぞ!いつも山から見張ってるからな!」という意味が込められています。
子どもからしてみれば、自分の隠れ場所や普段のイタズラまで、すべてお見通しだったわけですから、この言葉の説得力は計り知れませんね。
また、怯えている子どもを親がかばうと、なまはげはもう子どもを責めません。
子どもは親のそんな姿を見て、親に対する尊敬が生まれ、家族の団結に繋がると考えられています。
なまはげに会いたい!
魅力たっぷりのなまはげに会いたいと思いましたよね。
なまはげに会いたい!という人に、ぜひ訪れて欲しい場所をご紹介します☆
なまはげ館
秋田県男鹿市にある「なまはげ館」は、なまはげの歴史やなまはげにちなんだ伝説など、なまはげのすべてを知ることができる施設です。
男鹿市の各地で実際に使われていたたくさんのお面が展示され、その数なんと150枚以上!
圧巻の迫力を感じられます。
また、ARを使った「なまはげ変身コーナー」では、専用アプリをダウンロードし、お面やアイテムを自由にアレンジして、オリジナルなまはげに変身することができますよ。
売店にはなまはげ館でしか買えないグッズなど、たくさんのお土産が揃っています。
なまはげ柴火祭り(せどまつり)
「なまはげ柴灯まつり」は北東北の冬を代表する「みちのく五大雪まつり」の1つです。
秋田県男鹿市北浦の真山(しんざん)神社で、毎年2月の第2土曜日を含む金・土・日の3日間開催されています。
なまはげ柴灯まつりは、なまはげに扮する若者たちに神(しん)の入った面を授ける儀式を行い、なまはげと化した若者たちが山へ戻って行くところから始まります。
その後、境内で大晦日に行われる「なまはげ」が再現され、家々を巡り問答する様子など、一連の流れを見ることができます。
さらに男鹿の郷土芸能「なまはげ踊り」「なまはげ太鼓」が披露され、クライマックスへ!
松明を手に持ったなまはげ達が雪山から降りてきて、境内を練り歩きます。
「献餅」という、柴灯火で焼かれた護摩餅をなまはげに進ずる儀式が行われ、護摩餅を手にしたなまはげは神の元へ帰っていくのです。
雪山から松明を持って現れるたくさんのなまはげの姿は、幻想的で魅了されること間違いなし!
男鹿温泉郷
秋田県男鹿市北浦にある「男鹿温泉郷」は、秋田の奥座敷として7つの旅館が軒を連ねています。
男鹿温泉郷では、男鹿独自の郷土芸能「なまはげ太鼓」の常設公演を行っており、なまはげと和太鼓のダブルの迫力で、かつてない感動と興奮を体感することができます。
また、男鹿流の子育て法「なまはげの戒め問答体験」ができる旅館もあります。
子どもがいなくても、夫婦だけでの体験も可能です^^
なまはげの戒め問答体験を通して、親に守られた子どもは親のありがたみを実感し、夫婦の間でも普段は言えない感謝の気持ちを伝える良い機会となりますよ。
怖がりながらも質問に答える子どもの姿に、愛おしさが溢れますね。
旅行の良い思い出にもなり、家族の絆も深められて一石二鳥!
まとめ
なまはげは鬼のような見た目や、子どもを驚かせることから怖いイメージを持っていましたが、実際は200年も前から、男鹿の無病息災や豊作を祈り続けるありがたい存在でした。
1つ1つ表情が違うお面や、毎年編むケラなど、なまはげに携わる人々の想いが感じられます。
「我が子がなまはげに会ったら、どんな反応をするのか見てみたい!」や「なまはげの問いに家族がどう答えるか、気になる!」など、家族の絆を深めたいと思った人も多いのではないでしょうか?
知れば知るほど、なまはげに魅了され、なまはげの迫力を実際に体験したくなりましたね☆
今回は、「なまはげ」についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?
実際になまはげを見た人からは、写真や映像で見るものとは全然違い、迫力と感動を全身で感じることができ、正にかっこいい!という声が多く見られます。
男鹿市にはなまはげにまつわる施設や祭り、体験できる旅館もあるので、ぜひ訪れてみたいですね^^
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