「確定申告」という言葉を聞くと「役所」「書類」「税金」などのワードが浮かび、苦手と感じる人も多いのではないでしょうか?
特に初めて確定申告をする人の中には、「何をどうしたらいいのかさっぱり…」なんて人もいると思います。
ゆもすもフリーランスになりたての時は副業していた時期の分も含め、どうやったらいいのか全然分からなくてとても大変だったことがよみがえるほどです><
そこで今回は、確定申告をするべき人や、確定申告の基本的なやり方などをご紹介します。
自分の状況に合ったやり方で、しっかり確定申告をしましょう!
少しでも参考になれば幸いです^^
確定申告とは
「確定申告」とは、1年間で得た所得(もうけ)に対してかかる所得税を、自分で計算して精算する手続きです。
簡単に言うと「自分の稼ぎに準じた正しい納税額」と、「前年に支払った税金の金額」を申告して、支払った税金が足りなければ足りない分を納税し、多く支払っていたら返金してもらう手続きを、自分でするということです。
課税の対象となる所得とは?
まず「収入」と「所得」の違いを把握しましょう。
「収入」は何も引かれていないまるごとの金額で、「所得」は収入から必要経費を差し引いた金額のことです。
課税の対象となるのは、所得からさらに「所得控除」を差し引いた金額で、この金額を「課税所得」と言います。
所得控除は「基礎控除」や「社会保険料控除」、「医療費控除」など、現在15種類のものがあります。
確定申告しないとどうなるの?
確定申告をしなければならない人がしなかった場合、ペナルティが課せられます。
無申告だったり、確定申告の期限後に申告した場合は、「無申告加算税」という税金が課され、無申告加算税の金額は、納税額によって異なります。
確定申告の期限後であっても、税務署の通知が来る前に自主的に申告すれば、無申告加算税が軽減されるので、申告していないことに気付いたら速やかに申告しましょう。
また、納付期限までに納税しなかった場合には「延滞税」が加算されてしまいます。
さらに、確定申告をしないと市区町村が所得税を把握することができず、住民税の納付書が送られてこないので、住民税も納付していないという事態にもなりかねません。
確定申告をしていない状態で、税務調査を受けた際には、所得税だけではなく住民税も徴収される可能性があります><
確定申告するべきか分からないときは、税務署や税理士に相談してみるといいですね!
因みに、場所によりますが、税務署や区役所等で確定申告の時期に開かれている「税務相談会」があったりします。
ゆもすは、初回の確定申告の際にこの相談会で税理士の先生に色々ご相談してとても助かりました!
お住まいの地域で開催しているか確認して相談に行ってみるといいかもしれません^^
確定申告をする人は?
基本的に、会社員は確定申告をする必要がありません。
なぜなら会社が年末調整を行い、1年間の所得を申告してくれているからです。
では、どのような人が確定申告をするのでしょうか。
確定申告が必要な人
個人事業主やフリーランス
年間の所得が48万円を超える個人事業主やフリーランスの人は、確定申告をする必要があります。
個人事業主の人は、確定申告をしないと年収の証明ができないため、年間の所得が48万円以下でも確定申告をするのがおすすめです。
ちなみに、年収の証明はローンを組むときなどに必要になりますよ。
一定額以上の副業収入や一時収入がある
本業の他に副業をしており、その所得が20万円を超える人も確定申告が必要です。
また、競馬の払戻金や生命保険の満期金などの一時所得は、
一時所得の合計額から経費と特別控除額50万円を引いて2分の1にした金額が20万円を超える場合、
確定申告が必要になります。
一定額以上の公的年金を受け取っている
公的年金の1年間の収入金額が400万円を超える人は確定申告が必要です。
また、公的年金から源泉所得税が差し引かれていない人も確定申告する必要があります。
一定額以上の年収がある会社員
年収が2000万円を1円でも超えると、会社で年末調整してもらえないので、自分で確定申告をしなければなりません。
源泉徴収されていない退職所得がある
何らかの事情で退職金から所得税が源泉徴収されていない場合は、確定申告をしましょう。
退職金所得控除の範囲内のために、所得税が源泉徴収されていないときもあるので、分からないときは税務署などへ問い合わせてくださいね。
確定申告した方がいい人
基本的には確定申告をする必要はないけど、「還付金が受けられるかもしれない」という理由で「確定申告をした方がいい人」もいます。
還付金を受けるための申告は義務ではないので、知らないと損をするかもしれません!
因みに、出産された時などは翌年の確定申告は絶対やった方がいいとゆもすは思っています!
公立病院などではあまり出産費用がかからないのでやれな場合もありますが、
大体の私立病院では、健診費用・通院のタクシー代・出産費用・入院費用がかなりかかるので、
通常の年では医療費控除が受けられないくらいでも、
出産の翌年は絶対に忘れないようにしましょう☆
※ゆもすは、長女の時会社員だったこともあり、この辺を知らずに確定申告しなかったためにとっても損しました><
年度の途中で退職して年末調整をしてない
年度の途中で退職して年末調整を受けていない人は、所得税を払い過ぎている可能性があるので、確定申告すると還付金が受けられるかもしれません。
医療費控除や寄附金控除を受けたい
1年間の医療費の合計が所得の5%(上限10万円)を超えているときに受けられる医療費控除や、特定の団体へ寄附をしたときに受けられる寄附金控除を受けるためには、確定申告をする必要があります。
年末調整を受けている会社員であっても、確定申告をしなければ還付金を受けることができませんよ。
住宅ローン控除を受けたい
住宅ローン控除を受けるためには、入居した年の翌年に確定申告をする必要があります。
住宅ローン控除の手続きは毎年必要ですが、会社員の人が確定申告するのは1年目だけで、2年目以降は会社の年末調整のときに、税務署から届いた書類を提出するだけでOKです。
住宅ローン控除に必要な書類は、税務署から残り年数分がまとめて送られてくるので、なくさないように大切に保管してくださいね。
個人事業主やフリーランスの人は毎年、確定申告が必要になります。
因みに、購入した家の住宅ローン控除は、引っ越しをすると住宅ローンを払い続けていても控除を受けれなくなります。
ただ、一時的な転勤などでまたその家に戻ってくる見込みがある場合は、
特定の申請を税務署にすると((引っ越ししてから基本的に3ヶ月以内とされていますがすぐやる必要がある!とだけ覚えておきましょう)、
また戻ってきた時に住宅ローン控除対象期間内であれば再開することができます!
意外と知られていないので、要注意です☆
パートやアルバイトは?
パートやアルバイトをしている人で、年収が103万円を超え、会社で年末調整を受けていない人は、確定申告が必要になります。
また、パートを掛け持ちしている場合、年末調整は1ヶ所でしかしてもらえないので、他のパート先の年収が20万円を超えるときは確定申告しましょう。
副業をしている場合も、収入から必要経費を差し引いた金額が20万円を超えるときは確定申告が必要です。
アルバイトをしている学生は、特定の条件をすべて満たすと「勤労学生控除」が受けられます。
しかし、親の扶養に入っている場合は、年収103万円を超えると扶養からはずれてしまい、
親の税金が高くなってしまう可能性があるので、収入が超えてしまう前に親御さんとしっかり相談することが必要ですね。
白色申告と青色申告
確定申告には「白色申告」と「青色申告」があります。
まず、どちらで申告するか決めましょう。
白色申告
会社員が副業収入などで確定申告するときは「白色申告」するのが一般的です。
この場合は「確定申告書A」を使いましょう。
確定申告書の作成が比較的簡単で、手続きもシンプルなので、確定申告が初めての人も手続きしやすいですよ。
青色申告
個人事業主やフリーランスの人におすすめなのは「青色申告」で、「確定申告書B」を使います。
青色申告にはメリットがあり、青色申告特別控除(最大65万円)が受けられたり、赤字を3年間繰り越せるほか、家族への給与を経費計上できるので、節税につながります。
青色申告するには事前の手続きが必要で、「開業届」や「青色申告承認申請書」を税務署へ提出する必要があります。
また青色申告は、白色申告に比べ提出する書類が多くなったり、複式簿記による記帳が必要など、手続きが複雑になるデメリットもありますよ。
確定申告の流れ
ここからは確定申告の流れをご紹介します。
確定申告の期間は意外と短いので、しっかり準備していきましょう。
対象期間と申告期間
確定申告の対象となるのは、1月1日から12月31日までの1年間の所得です。
手続きの期間は、翌年の2月16日から3月15日の約1ヵ月間ですので、早めに準備しておきましょう。
還付申告は、確定申告の期間に関係なく、対象となる年の翌年1月1日から申請でき、5年まで遡って申告できます。
申告漏れがないか、今一度確認してみるのもいいかもしれませんよ。
書類の準備
書類の準備をする前に、なぜ確定申告をするのか明確にしてください。
目的によって準備するものが違ってきますよ。
必要な書類は税務署でもらったり、国税庁のホームページからダウンロードすることもできます。
自治体によっては、役所でもらえるところもありますよ。
印鑑は不要になったので、準備しなくても大丈夫です!
訂正印も必要ないので、二重線で消して書き直してくださいね。
提出する書類は、コピーをとっておくことをおすすめします。
- 提出書類
確定申告書A | 給与所得者・年金所得者が主な対象。給与所得、雑所得、配当所得、一時所得の申告ができる。 |
確定申告書B | 個人事業主・フリーランスの人などが対象。すべての所得の申告ができる。 |
収支内訳書(白色申告) | 1年間の売上げ・仕入れ・経費・人件費などをまとめたもの。 |
青色申告決算書(青色申告) | 定期的に帳簿付けしたものを決算書の形でまとめたもの。 |
マイナンバーカード | 確定申告書にマイナンバーを記載。 |
金融機関の口座情報 | 還付金を受けるときに必要。 |
- 必要に応じて準備する書類
医療費控除の明細書 | 定期的に送付されてくる「医療費のお知らせ」や病院や薬局の領収書やレシートを見て記載。通院に必要な公共交通機関の費用も含めることができる。 |
源泉徴収票 | 給与所得がある人。 |
寄附金の受領書 | 寄附金控除を受けるときに必要。 |
固定資産台帳 | 不動産所得がある人。 |
書類作成
確定申告の書類を手書きで作成するときは、後ろから前に記入していくことがポイント!
確定申告書には「第1表」と「第2表」があるのですが、「第2表」から記入していき、第2表で集計した金額を「第1表」へ転記していくと、間違いが少なくなりますよ。
また、国税庁のホームページに「確定申告等作成コーナー」があるので、そちらを利用して作成することもできます。
確定申告等作成コーナーは、パソコンだけでなくスマートフォンでも利用可能です。
自分で確定申告する自信がない人は、税理士に依頼すると安心ですね。
提出
提出の方法は、大きく分けて4つあります。
①税務署へ直接提出
税務署の窓口へ直接提出することで、必要書類の不備などをチェックしてもらえるので、不安な人におすすめの方法です。
ただし、確定申告の時期は税務署がとても混雑し、期日直前は特に混み合うので、なるべく早めに行きましょう。
②特設会場で提出
地域によっては、確定申告の特設会場を開設しているところもあり、税務署の職員がいるので申告の相談をすることもできます。
初めて確定申告する人に、とてもおすすめの方法です。
特設会場に入場するためには入場整理券が必要で、国税庁LINE公式アカウントからオンライン事前発行ができます。
また、各会場で当日配布もしていますよ。
③郵送で提出
税務署へ提出に行けない人は、確定申告の書類を郵送で送るのも1つの方法です。
郵送による提出は、書類の不備などのチェックをしてもらえないので、何度も確定申告をしていて慣れている人におすすめ。
郵送の場合、3月15日に税務署に届いていなくても、期限内の消印が押されていれば、期限内提出と見なされます。
郵送する際には、荷物の到着の確認ができる書留や簡易書留で送ると安心ですね。
④e-Taxでオンライン申告
e-Taxは、インターネットを使って確定申告する方法で、パソコンとネット環境があれば誰でもできます。
e-Taxでの申告には、「マイナンバーカード」「ICカードリーダライタまたはマイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォン」「利用者識別番号」が必要です。
「利用者識別番号」は、手続きの最初に開始届出書を提出すると通知されるので取得してください。
青色申告の人が受けられる制度「青色申告特別控除」を受けるためには、e-Taxでの申告が必須です。
青色申告は白色申告に比べ手続きが複雑ですが、大きな節税となるので、個人事業主やフリーランスの人はe-Taxでの申告をおすすめします。
納税・還付
確定申告をした結果、納税が必要なときは、期限までに自分で納付しなければなりません。
税務署から納付書の通知などは来ないので、注意が必要です!
クレジットカードやe-Taxによる口座振替などのキャッシュレス納付や、QRコードでのコンビニ納付、税務署または金融機関での窓口納付があります。
自分に合った納付方法を選びましょう。
税金の還付があるときは、1ヵ月~2ヵ月後に口座へ振り込まれます。
e-Taxで申告をした場合は入金されるのが早く、2週間~3週間後に振り込まれます。
まとめ
確定申告の書類を見ると、難しい漢字が多く躊躇してしまいますよね。
しかし、やってみたら意外とできるものです。
書類の書き方や用語の説明など詳しく記載されているので、例を見ながら少しずつ進めれば大丈夫。
インターネットを利用すれば、金額を入力すると勝手に計算してくれますし、間違っているところは教えてくれるのでとても便利ですよ。
どうしても不安な人は必要な書類を揃えて、税務署や特設会場へ行って相談に行ってみましょう。
確定申告をする方法は1つではないですし、相談するところも用意されています。
うまく活用して、自分に合った方法で、しっかり確定申告を終わらせて、すっきりした気分で春を迎えましょう!
参考になれば嬉しいです✳︎
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